北海道札幌の自然

ウミガラス チドリ目ウミスズメ科 海烏 Guillemot

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今日はオロロン鳥いう、海鳥のお話です。

 

オロロン鳥と呼ばれる鳥の名前をお聞きになった事がありますか?

このオロロン鳥というのは、北海道の天売島で少数羽繁殖し、絶滅危惧種にも指定されている鳥なんですが、オロオロオロとかウルルーと鳴く声が、天売島ではオロロンと聞く事から、オロロン鳥と言うのですが、今日お話するウミガラスというのが正式名称の海鳥です。

 

 で、ウミガラスはカラスと名がつく通り、背中部分がカラスの様に黒く、お腹部分が白いので、繁殖地で陸に上がり、体を縦にしてガケの中腹に止まっていたりしますと、殆どペンギンの様に見える鳥です。そんなオロロン鳥が、多分今小樽の海で観察出来ているのは、天売で少数繁殖している個体ではなくて、サハリン・千島に、このウミガラスが多数繁殖する場所があるもので、そこの個体が南下している個体を見ているのだと思うのですが、小樽水族館横の高島灯台から海を望遠鏡などで眺めたり、時に荒れた日には小樽港内でも12月から今、2月中頃まで、当たり外れはありますが、一昨年などは多い時で80羽以上も海にプカプカ浮く姿が確認出来た時期になりましたので、このお話しをしたいと思っています。

 

 さてこのウミガラスは、大きさは43センチ、ですから、カラスと言いましてもカラスより小さく、ハトより大きく、体重は980グラム程、細くて黒い鋭いクチバシと細い頭・長い首とで、スマートな特有な体型をした鳥で、夏場も天売で少数繁殖している位ですから、確認出来る鳥ですが、日本では東北地方あたりまでの海で、冬場、主に海に浮いている姿を観察される鳥です。

 

 さて、ウミガラスはイカナゴやイカなどの餌を、水中飛翔と言われる程ペンギンの様に巧みで、しかも大変素早く、翼を使って10M、深い時では80M近く潜って捕まえて生活していますが、ペンギンは鳥の仲間と言っても、水の中を泳ぐのは得意ですが、飛ぶ事は出来ませんよね。でも、ウミガラスのは水面を足で蹴って助走し飛ぶことも、繁殖地などでは巣のある断崖絶壁から飛び降りる様にして飛ぶ事も出来る、つまりペンギンとウミガラスは、体色・姿は似ていても、ウミガラスは飛べるという点がペンギンとは最大に違う特徴を持つ鳥です。

 

 で、彼らはどうやって飛翔するかといいますと、海面を足で少しバタバタと掻いてから飛び立ち、そして飛び出すと、小刻みに連続して羽ばたき、海面を低く、一直線に飛ぶのが飛翔の特徴です。

 また群れで海に浮いていると、一列に並ぶ習性があり、良く観察していると横長に一列に並んで浮かんでいたのが、急にばらばらになり、また何かの拍子にスルッと一列に並んだりします。これは飛んでいる時も同様で、例えば1羽ウミガラスが海上を飛んでいるな、と思ったら、後から後から湧いて出たようにその1羽の後ろを、他のウミガラスが付いて飛翔し、何時のまにかウミガラスが整列したかの様に、一列になって飛翔していたりします。

 

 さて、このウミガラスは先程、魚・イカと食べるといいましたが、ウミガラスを小樽の海で見つけるには、まず鳥山、これはオオセグロ鴎などが多数群で海に浮いている事を言うのですが、それを見つけるが得策です。といいますのも、カモメ類は自分で潜って魚を捕まえる事が出来ませんが、ウミガラス達は潜って自分の餌である魚と取ります。その時、ウミガラスは、魚の群を海面近くの一カ所に塊状に上げてしまうので、そんな様子をどこからか見ていた鴎たちが、そののおこぼれを頂戴しようと虎視眈々と伺ってて魚が上がってくると、カモメも集まり出す、つまり鴎の海の集まりを見ていると、その横にウミガラスが浮いていたりするのです。

 ところが、このウミガラスが海に潜って魚を餌にして生活しているという事が問題なのです。天売島では過去40年程前にはオロロンチョウが≒8000羽も居たというのに、今は10数羽しか繁殖していないようです。

 

ウミガラスは先程も言いましたが、空を飛ぶときと同じように、翼を使って魚を追跡しながら魚を捕まえて食べますが、これが流し網などの漁で使われる網に引っ掛かってしまうのです。天売島のウミガラスの場合、この他に卵を捕食するオオセグロ鴎が増えた事も繁殖数の激減理由となっていますし、私は漁師さんを攻めるつもりではありませんがこの霞網もウミガラスにとっては大変な脅威だと思います。

 

 さて、小樽や札幌周辺でウミガラスを見るには、双眼鏡では無理で、キチンとした防寒着と高倍率の望遠鏡+ちょっとした気合いと根性が必要でもありますが、皆さん如何ですか?、是非挑戦されてみて下さい。

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