北海道札幌の自然 |
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野鳥の声(さえずり、地鳴き) |
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「野鳥の声、地鳴き・囀り」 今日は野鳥の声についてお話してみたいと思います。
皆様もそうでしょうが、私も森林内で初めに鳥が何処にいるか、そしてどんな種かと判別する方法は、鳥の姿を目で見つけるというよりも、野鳥の声が何処から聞こえてくるか、そしてどんな声だろうか、からでです。 で、その鳥の声は、大きく分けると「囀り」と「地鳴き」という2種類になります。 |
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「地鳴き」、これは♂♀ともに季節を問わず一年中鳴き、その声に♂♀の違いも殆ど無く、いわゆる仲間同士の情報伝達等に使われていると言われています。またそれは一般的に長い時間複雑に鳴くといわれている「囀り」と違い、「チッ」とか「ジッ」など短く、単純な声です。
「囀り」、これは例外もあるのですが、おもに繁殖できるまで成長した♂の鳥が、繁殖期に鳴く声です。 この囀りは大抵目立つ所、なおかつ周期的+複雑な旋律を持ち鳴くというのが普通で、長時間鳴く種が多いといわれています。例えばウグイスの場合だと、先程の地鳴きだとウグイスの場合、笹鳴きと言われ「チャッチャッ」と鳴くのですが、囀りだと「ホーホケキョ」と鳴くわけです。つまりウグイスは真冬北海道には居ないといわれていますが、繁殖期を過ぎ、秋になり、ホーホケキョと鳴かなくなったからと言ってウグイスは居なくなったのではなく、目立つ囀りをしなくなっただけで、笹の中に隠れチャッチャッと鳴く地鳴きをしていて、姿を現さなくなったという状態になっているのです。
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またこの「囀り」は<種>によって違います。それは音の高低、リズム、囀りの感覚など、種によって殆ど決まっているもののようですが、鳥によっては(例クロツグミなど)同じ種でも幾通りかの囀りを持っている鳥もいますし、同じ種でも個体差や、人間でも同じ日本でも住んでいる地域によって方言があるように、鳥にも地域によって微妙な囀りの異なりがあることが知られています。
さて、それでは何故成熟した♂の鳥が囀るか、というと、これは同じ種の♂への縄張り宣言、俺はここで繁殖するから来るなよという合図や、僕はもうここに来ましたよー、繁殖にいち早く凄く良い場所を確保しましたよーお、と♀を呼ぶためだといわれています。 |
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しかしその囀りも、渡って来た当初の♂の小鳥は、長旅の疲れからでしょうか、大抵初めは到着しても囀る事をせず、ただ黙々と餌食べなどをしております。例えば私が見た例ですと、3月末に南から渡ってくる草原で見かけられる鳥ヒバリなどは、シーズンに初めて見た時、特徴的な囀り飛翔もせず、地べたで黙々採餌し、次の日あたりからようやくちょっと高い枯れ草の上などに止まり短く囀り、その数日後から囀り飛翔を始めていました。またこれはホルモンの関係もあると言われていることですが、ウグイスも来た早々の囀りも初めは下手くそで、普通は長く鳴く囀りも、大変短く終わってしまったりし、私もシーズン初めはエッ、この鳥なんて鳥だろうと思うこともあります。また、大抵の渡ってくる鳥は、♂が♀よりも先に渡って来て、縄張りを構え、それから一週間ほどしてから♀が来ると言われています。
春、4月末から5月中頃にあけて、北海道には色々な渡り鳥が越冬地から繁殖地であるここ北海道に次々戻って来たり、留鳥である鳥もこれから繁殖に入るため、様々な鳥が盛んに囀るシーズンになりますので、色々な鳥の声を楽しめそうですね。 |
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彩雲(さいうん) 2007,12/19 石狩浜 |
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彩雲(さいうん) 2008,3/2 札幌市西区 |
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