北海道札幌の自然

ミサゴ ワシタカ目ワシタカ科 鶚 【Pandionhaliaetus】 Osprey

item5

【ミサゴの体の大きさ、特徴】

♂=体長55cm、翼開長157cm、 ♀=体長63cm、翼開長174cm、

嘴峰30〜35mm、尾長187〜235mm、ふしょ=50〜61mm

他のワシやタカ類同様、♀の方が♂より体が大きいく、体色も綺麗なのですが、大体およそカラスぐらいの大きさか、それよりもう少し大きい位の野鳥。しかし、ミサゴのほうがカラスよりも翼が非常に細長く見える鳥です。

ミサゴの体色は背と翼の上面は黒い褐色。ミサゴの下面は黒い部分もありますが、ほぼ白。またミサゴの姿の最大の特徴は、頭に短い白い冠羽(冠羽とは頭に生えている冠状の羽)を持ことでしょう

item5a

【ミサゴの食べ物、生息地】

ミサゴは猛禽、鷲・鷹の仲間なのに、主食をお魚としている野鳥です。ですから海や湖、川、沼に居る事が多いですえ。本州には一年中居ると言われますが、北海道には春になると渡ってくるミサゴ。が、全国的にも余り個体数が多い鳥とは言えません。 

ですから、なおさらミサゴは、耳慣れない野鳥名で、海に鷲や鷹の仲間が居る?と、思われるかもしれませんが、ミサゴは、山や林の中にではなく、海岸の断崖絶壁の、おいそれと人が簡単に近づけない所=海にぽつんとそびえる岩のてっぺんに、自分達で木を組んで大きい巣を構えたりいたします。

【ミサゴの名前由来】

ミサゴの主食はお魚。ミサゴは水の中にダイビングして魚を取るので、和名ミサゴは、水を探るという意味から。同じく中国名の、読み方は解りませんが、漢字では魚鷹と書くのもそれと同じ意味から来ているようです。

item5a1

【ミサゴの餌の取り方・餌の運び方】

ミサゴは主食の魚を捕まえる時、ホバリングといって、翼を巧みに羽ばき、ヘリコプターの様に空中の一点に静止する飛び方をし、その後、足から水に突っ込み、餌である魚を捕らえます。私もこの様子を見た事が何度もありますが、結構な高さの位置で、短くホバリングしてから、翼を九の字に折り曲げ、凄い勢いで頭から水に向かい突っ込み、水に飛び込む直前に翼を後方に上げ、尾を広げ、足を前に突き出して魚を捕らえるので、見ていても大変スピード感あふれ、大きさもけっこう有る鳥ですので、誠にそのさまは壮観・見事です。

またミサゴのもう一つの特徴として、そうやって捕まえた魚を、魚の頭を前にして、タオルを絞るように足を前後にずらして握って持ち運ぶ事も、他のワシやタカには無いこと。

ところが、そんな風に魚を捕まえ、特徴ある持ち方・運び方をするので、私はそのような場面は見た事が無いですが、時折自分に相応しく無い大きさの魚を捕ってしまった場合、爪が捕まえた魚に食い込んでしまい、そのままその魚に水中に引き込まれてしまって、溺死してしまうミサゴも中には居るようです。

item5a1a

【ミサゴの巣】

私が見たミサゴの巣は、断崖絶壁にあり、毎年毎年同じ場所で、同じ巣を使い、しかもその巣にさらに毎年巣材の木材を付け足す為、一抱えではきかない巨大になった巣でしたが、5月に見に行くと 綺麗な体色のミサゴが1羽で丁度卵を抱っこ、抱卵中でした。

 猛禽類の抱卵は、主に♀が中心行い、雛を育てている最中も♀は巣に残って雛を守り、♂が♀や雛の為に餌を取って来るので、今巣に居て私が見て居るのもてっきり♀だと思って見ていたのですが、しばらくするともう1羽ミサゴが巣の近くに戻って来ました。で、この2羽を比べてると、1羽は体色も白黒はっきりし、もう1羽はそれより黒白がはっきりしません。また体の大きさも、両羽はやや違い、はっきりした色のほう、つまり♂のほうがやや小さく見えました。

 そう思って見て見ると、私が初めに見た時に卵を抱っこ、抱卵していたのは、つまり珍しく♂だったわけです。

私は過去、ミサゴが雛に餌を与えている様子を見た事もありますが、もう体も随分大きくなって自分ででも十分餌をちぎれそうな雛に、♀親が小さく小さく魚を1つづぐちぎって与えて居て、その愛情あふれる様子にも感激致しました。

ミサゴは7月中に巣立ちしますが、個体数の少ない野鳥、これからも増えてほしいものです。

補足【ワシとタカの違い】

ワシタカ目ワシタカ科 Accipitridae のうち、大型の鳥の総称。ただし分類学的には定立した名称ではない。この科の鳥では、比較的体が小さく、あしと尾が長いものをタカ ( 英名 hawk) といい、体が大きく、尾は短く、あしの太いものをワシ ( 英名 eagle) と便宜上呼ぶことがあるが、これは分類学上の区別ではない。

またクマタカ ( 英名 hawk eagle) のように、ワシとタカの中間型も存在する。一般にタカに相当するのは、オオタカ・ハイタカ類 ( 英名 hawk) やミサゴ ( osprey) 、トビ類 ( kite) 、チュウヒ類 ( harrier) 、ノスリ類 ( buzzard) などで、ハゲワシ類 ( vulture) も実際にはタカに近い。

いっぽう、ワシに相当するのはウミワシ類、オウギワシ類、ヤマワシ類などである。ハヤブサ類 (falcon) も広い意味ではタカのなかまだが、ワシタカ類と狩猟方法が異なり、別の科に分類される。最近では別の目に分類されることもあるほどなので、ハヤブサ類は別項目でとりあつかう。 (世界大博物図鑑 鳥類, p. 294)  

【CM】本・雑誌・コミックのジャンルに楽天市場へ出店している北海道のお店屋さんの一覧です【CM】