北海道札幌の自然

カッコウ 郭公 ホトトギス目ホトトギス科 Common Cuckoo 【Cuculus canorus】 多数画像=「カッコウ」、

体長35cm 、翼開長61cm 、体重70〜130g、嘴峰20〜24mm、尾長148〜178mm、蹠19〜24mm

日本全国に夏鳥として、越冬地である中国大陸南部、マライ、インドシナ半島、インドなどから5月中頃渡来し、託卵出来る時期が過ぎる7月末までの2ヶ月半程で渡去。北海道、本州北部では、平地や山地の草原や低木林に生息するが、本州中部では高原に多い。♀は喉にやや赤褐色色を帯びる。また本種の♀にはまれに赤色型が現れる

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 【カッコウ】

少しカッコウの生態のお話の前に余談になりますが、札幌市では昭和35年、人口50万人になった時に、それを記念して札幌市も、市の鳥を制定しようという話しになったようなのですが、私が人に調べて戴いた所によると、当時その市の鳥制定の為に市民に取ったアンケート結果は、なんとカナリアという飼い鳥が1位になったそうです。でも、結局は飼い鳥を市の鳥にするのはおかしいという話しになり、カッコウに落ちついた経緯があるようです。

 さて、カッコウは日本に夏、そしておもに草原に来る鳥です。大きさは35センチ程ですから、丁度ハトぐらいの大きさでしょうか。目は黄色みがかり、グレーの背中で、白いお腹には細い横のシマが入っている鳥です。

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カッコウという鳥の名はその鳴き声に由来するということは、既に皆さんご存じかもしれませんが、このカッコウの語源はどうも世界的なもののようです。アイヌ名は勿論ですが、漢名、英名、フランス語名、ドイツ語名ででもほぼ同様、例えば英名ですと「クックー」と言うぐらいで、日本名と似ています。ですから、カッコウだけは外国に旅行に行っても、カッコーとか、すこしナマってクックーとか発音しても、通用するかもしれません。

 

 またベートーベンの交響曲第六番ヘ長調「田園」という曲の第二楽章「小川のほとりの情景」の最後のほうでも、カッコウの声をクラリネットという楽器で、ミとドの音で、ミドミドとと八分音符吹いていますし、その他にも、子供のピアノ発表会等でも良く子供が弾く曲に、ダカンという古いフランスの作曲家が書いた「カッコウ」という名前のピアノ曲があったりと、本当に世界的にもカッコウの声は特徴ある声に聞こえるのだなーあ、と思います。

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しかしながら、カッコウと言う鳥はカッコウとばかり鳴かないんですよね。

草原で彼らの声を聞いていますと、カッコウ同士の縄張り争いなどの前後に、ゴワゴワとかコカカカとか等と言う声も出しますし、♂の地鳴きや、♀は、カッコウと鳴かずに、ピピピピピと高く鋭く鳴いたりもするのです。

 それと、カッコウが鳴いている姿を、望遠鏡で見た事が何度かあるのですが、私が見ている限りにはカッコウはカッコウと鳴く時、カッの時には口を大きく開けて、コウと言う時に口を閉じているように見えるのです.

 知人にそれを言いましたら、「花火が光るのと、音がずれるみたいに、あなたは遠くでカッコウの鳴くのを見たんじゃあないの」と言われたのですが、何度か近くで見ていてもそう見えるのがとても不思議です。

確かに知人が言うように、見た時と声がずれているのかもしれませので、これからも気を付けてみようと思っています。 

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またカッコウといえば、托卵といい、自分の卵を他の鳥の巣に産み付けて育ててもらう事を連想される方も多いと思いますが、この托卵は、カッコウが夜の体温が昼間よりも10度程低いから、自分で卵を暖めるのに適さないから、などいう説もあったり、理由は諸説色々あるようですが、この托卵をしようとしているカッコウを私も草原で鳥を観察していて、何度か見かけた事があります。

 

私が初めて托卵しようとしているカッコウを見た時は、まずカッコウがジッーと木の中に隠れているのを見つけました。全然動きません。

 どうも私には托卵という事もあるからでしょうか、カッコウの目は黄色くて、なんだか私にはずるそーうな目に見えるのですが、そんな目でじっーと一点を見て隠れていたので、あれれ?と思ったのです。

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↓托卵をたくらむカッコウ雌 5/31 勇払

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カッコウはモズや、オオヨシキリと言う鳥や、ホオジロ、アオジという鳥、ノビタキという鳥に托卵すると言われていますが、私が見ていた時にはモズの巣がそこに会ったのでしょう、モズがサッと巣を離れた途端、その巣に入り込みました。が、モズもそのカッコウの様子を見ていたのでしょう、闘争してカッコウを追い出し托卵は不成功に終わったようでした。

 またそのように先にカッコウを見つけなくても、草原で鳥を見ていると、カワラヒワやノビタキ、ホオアカなどと言う鳥が一斉に草原の中からワサワサ飛び出し始めたり、声を出し始めると、カッコウが慌ててその中から出てくる場面にも遭遇した事もありますから、ずるそうな目に見えるカッコウもなかなか簡単に托卵出来ないのだと思います。

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しかしながら、世界的に見ればこのような托卵の習性を持つのは、カッコウ科の中でも焼く40%に過ぎないそうです。つまり托卵せず、自分で巣を作って子育てをするカッコウの仲間も多いのですし、またこの托卵の習性はスズメの仲間や、鴨の仲間でもみられ、さらにダチョウや椋鳥など同じ種類同士でも托卵をし、子育てを押しつけあうものもいるので、一方的にカッコウってなんだかずるいなあー、と思いこむのは間違いなのかもしれませんね。

あと、カッコウは飛ぶとまるで猛禽のようにも見えます。これもとても不思議な事だと思いますねえ。

さて、森林の鳥は、葉が茂るとみずらくなりますが、草原の鳥はそれよりも見やすいですので、カッコウの声を聞きに、皆さんも、夏は草原にちょっと出掛けられては如何でしょう。

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