北海道札幌の自然

ハクセキレイ　白鶺鴒　White Wagtail　【Motacilla alba lugens】動画＝「ハクセキレイの歩き方」

左が♂、右が♀、下２つは幼鳥

ハクセキレイ　スズメ目セキレイ科

白鶺鴒　【Motacillaalba】　WhiteWagtailスズメ目セキレイ科　英名＝WhiteWagtail

体長=約21センチ、翼長=9〜10センチ、体重約30g

繁殖期は５月〜７月。一腹卵数=４〜５卵。一夫一婦。

♂♀そして年齢により若干体色が違いますが、背中や頭がグレー、長い尾と足と細い嘴は黒で、お腹は白く、つまり白黒ツートンカラーの野鳥

幼鳥は特に頬が黄色みを帯びるので、時にキセキレイと間違われることも

彼らはチチンチチンと鳴きながら長い波形を描いて飛び、不思議にも尾を上下に振りながら、餌をおもに地面で、時に空中でトンボや昆虫、ユスリカ、バッタなどをフライキャッチし食べている鳥です。またこの鳥は、札幌近郊では一年中見られる結構身近な鳥でもあります。

さて、このセキレイの仲間は日本では10種類以上確認できます。セキレイのセは背筋、レイは冷たく澄み切っている意味らしく、つまり背筋が涼しく、美しいという事から名が来たと言われており、セキレイの仲間はどれもその名の通り、スマートな体型で長い尾を持ち、それを長い細い尾を上下に良く降るのが一番の特徴で、この特徴は、古事記にもイザナギの皇子がこの動作を見て子孫を増やす道を学んだという伝説や、またアイヌ名にも、地域名にもニワタタキ、岩タタキなどの名があるほどです。

日本で私達の目に触れやすいセキレイの仲間には、背はグレーで、お腹が黄色いキセキレイと、背が黒・お腹は白のツートンカラーの似たような体色を持つハクセキレイ・セグロセキレイの3種がいます。この3種の中で一番良く、しかも一年中札幌近郊で見られるのは、セグロセキレイより顔の色が白いハクセキレイという鳥です。

キセキレイ　黄鶺鴒　スズメ目セキレイ科　【Motacillacinerea】　GreyWagtail

実はこのハクセキレイ、以前は北海道で繁殖しても、越冬例は少なかったものが、近年札幌周辺では越冬個体が増え、冬期でも割と見られる様になりました。また本州でもハクセキレイは冬場にしか確認出来ない鳥と以前言われいたんですが、今では北海道だけでなく、中国地方でも繁殖する様になった鳥です。

　またこのハクセキレイは、海岸から川の下流域など、水辺が周辺にさえあれば見かける、気がつくと本当に身近な鳥です。巣も人家の換気口や、軒下の人工物の中、私も町の看板の後ろに巣を作ったハクセキレイを見た事もあります。餌も、動物性の物ばかりではなく、冬季はパンの耳やポップコーンまでも食べるようにもなってきて、ハクセキレイはまさに都市にも適応し、進出して来た、たくましい野鳥といえそうです。

さて、ある春、我が家の窓ガラスにバンバン何度もぶつかっる音がするので、見てみるとそれがハクセキレイだった事があります。これはハクセキレイは繁殖期になるととても縄張り意識が強くなり、窓ガラスに写った自分の姿を縄張りに侵入してきたライバルだと勘違いして、そんな行動を見せるのですが、見てたら余りに何度も何度も自分が写ったガラスにむかって懲りずに体当たりするので、それは可哀想にさえ思える程でした。

また、ハクセキレイは近年一年中見られるとは言いましたが、北海道では基本的に夏場多く見られる鳥です。一昨年の3月末、厚田方面の高台に行って海を見ていましたら、ハクセキレイの♂ばかりが、海から湧いてきたように、後から後から、海からその高台に上がって来たんです。つまり、ハクセキレイが南から群れで、先に♂が縄張り形成する為に♀より早く渡って帰って来た所を偶然にも見たわけで、21センチ程の鳥が海を渡って来たんだ、とそれにはちょっと感激しました。

それとハクセキレイは、冬場、集団でネグラを取る習性があります。（これは昼間は単独または小さい群れで行動していたものが夕方大群になって、木の枝や看板などに集まってネグラを形成するのですが、）そんなネグラを余市駅前の木や、小樽の銀行前の木の中に過去見た事がありますが、この様子もまた面白く、一度にネグラの木に入らずに、一羽近くに来たな思ったらまた一羽とどこからともなくその木に周辺に集まりだし、パラパラと、時にはまとめてその木に入り、最終的にはその木がハクレキレイのなる木になりました。　

そんな尾を振り、特徴ある飛び方をし、ツートンカラーのスマートな鳥ハクセキレイの、集団ねぐらがひよっとしたら、皆さんの間近にもあるかもしれませんね。