北海道札幌の自然

チゴハヤブサ(【Falcosubbuteo】)Hobby 多数画像はこちらにも→「チゴハヤブサ2」、「チゴハヤブサ3」、「チゴハヤブサ4」、チゴハヤブサ採餌風景」、「採餌動画

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奥が♂、手前が♀

チゴハヤブサ【Falcosubbuteo】 ワシタカ目ハヤブサ科 稚児隼 英名=Hobby

体長=♂32〜35cm、♀=33〜37cm

翼開長=♂72〜81cm、♀=78〜84cm

体重=130〜340g

とまっている姿を見ると尾より翼が長い

♂は胸の縦線が細かく、綺麗に入る傾向があり、ほっそりしている。胸の色も白く綺麗

♀は胸の縦線が太く、ばらけて入る感じがする。体色は♂よりは茶色みを帯びて、身体も大きい。飛翔しても大きく感じる

チゴハヤブサという猛禽の仲間の鳥が、我が家の近くで、カラスが作った巣を再利用し数年前繁殖し、2羽巣立ち、その時私は彼らに負担を掛けないように遠くから双眼鏡で観察していました。以下、その観察記録

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繁殖地]日本中のあちこちで多数繁殖しているわけではなく、夏になると越冬地である東南アジアなどから繁殖地である、北海道や東北に、春遅く5月上旬に渡って来ます。そして9月頃(10/10頃最終認)にはまた越冬地へと渡ります。

営巣場所]彼らは、自分たちで巣を作らず、ハシボソガラス・ハシブトガラスの巣を再利用します。

またその巣は、森林奥深くでは巣を構えず、大都市の公園や、小さい雑木林などで繁殖します。また人工物(鉄塔など)も使いますが、近年営巣に適した巣が減って来ているのでしょうか、その例が増えてきているようです。

巣の回りの環境は開けた場所があり、高い所から飛び出しやすい環境を好むようです。

また営巣場所は、前年営巣した場所よりそう離れない場所に営巣します。(多分つがいも同じなのでしょう)

札幌でのつがい数]例年札幌では10番弱しか繁殖していないようです(どんどん減って来ているようで心配です)

交尾場所] 巣が決まると、木の上や電柱の上で交尾をします

産卵時期]カラスの巣立ち後、6月上旬。孵化してから1ヶ月程、雛達は巣で生活します

鉄塔に営巣

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このチゴハヤブサはその名の通りハヤブサより体が小さく鳩ぐらいなので、まるでお稚児さんのよう、と言う意味でそんな名を持ちます。

しかし、そんな名でも彼等はやはり、猛禽の仲間。餌である鳥を捕まえるためにツバメの様に細く三日月型の翼を持ち(遠目にはアマツバメにも大変良く似ます)、鋭く早く飛びます。

しかし秋、彼らを見ていると、餌は小鳥では無く、トンボが多いのです。これがおかしいのですが、彼らを見ていると素早く飛翔しながら、赤トンボをひらりと舞うかの様にして盛んに捕まえ、飛びながらそれを足に持って羽をちぎり、トンボを人参状態のようにして、ムシャムシャムシャ食べるものですから、彼らを双眼鏡で見ていると、空中にトンボの羽がパッパッと飛ぶ様子が見え、なかなか面白いものです。

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また彼らはトンボばかりを食べているわけではありません。スズメ、メジロなどの小鳥、私はゴジュウカラという鳥を食べているのを観察したり、また、彼らの巣の近くで伝書バトの死体を発見しました。つまり彼らは小鳥から、そんな自分の体ほどもある鳥までを捕まえて、餌にしているわけです

さて、鷲や鷹の仲間は雛を育てる時、♂が狩りをし、♀に与えて、♀が雛に与えますが、私がこのチゴハヤブサを観察している時も、♀が卵を抱卵し、またまだ雛が小さいうちも♀が雛を抱く様子が観察出来、その♀と雛に♂が餌を取ってきては与えるということをしていました。

また雛が大きくなってからは、♂♀で巣近くに居ましたが、圧倒的に巣近くに♀が居る事が多い様に見えました。

 

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餌渡しの様子

♂が足で捕獲し、口でとどめを差した餌を足に持って運んで来ますが、♀どうやって受け渡すかといいますと、それは空中でその受け渡しをする事もあるのです。きっと合図なのでしょう、大抵そう言う時はキキキキキーという特徴的な声を彼らは出して、つまり餌取ってきたよー、と言っているかもしれませんが、そんな声を出し、♀が巣近くから飛翔し、ペアでくるくる飛翔。そして、何度か飛び交い交差する様子を見せ、ある時交差した時、それは♂は上、♀は下ですが、♀が瞬時足を空に向け、つまりひっくり返る様にして餌を受け渡し、♀が雛に持って行くのです。

また♀もその餌をそのまま雛に上げに行くのではなく、きっと巣の中で餌を解体すると血や羽で巣の中が汚れるからでしょうか、巣から少し離れた場所できちんと大体の羽をムシって食べやすい形にしてから、雛に持って行くのです。またその餌をどの雛にも均一にキチンと分けて与えて居るようで、とても見ていてほほえましいです。

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雛の様子]雛は見る見るうちに大きくなりました。

孵化してから20日間程は白い綿毛をはやして縫いぐるみ見たいだったんですが、21日目位から目の回りがだんだん黒くなり、お腹が親の様に茶色い色になり、ある時は前の日胸の前が白い綿毛が付いていたのに、次の日見に行くと親と同じく縦の斑が入っていたりと、4日間程でその綿毛は頭以外殆ど取れてしまったのです。

注=1段目2つは白い綿毛状態は7/28(多分孵化3週間目程),2段目画像一つは8/6、上から3段目は8/9、下から2段目二つは8/11撮影

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私、その綿毛は自然に抜けるのかな、と思っていましたが、そうではないのです。その様にたったで4日程で変わるのは、彼らがその綿毛を毛繕いしながら盛んに抜いているのです。

で、彼らの毛の抜け替わりは、最後は頭のてっぺんになります。そこはいくらなんでも自分ではちぎれないからでしょう、てっぺんだけに産毛が残って、最後は尾の長さ以外(尾は巣立つ時は親よりも短いです)、親と同じ大きさ、親と胸の色以外違わない体色になっていきました。

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巣立ち]チゴハヤブサの巣立ちは、巣から枝伝いに外に出ることから始まります。また巣立ち(巣から飛翔して出ること)後も残っている雛がいると、巣立った個体も餌が欲しいのでその巣に舞い戻ったり、夜はその巣で寝ることもあるようです
 

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この様に大都会の真ん中ででもこんな猛禽の仲間が巣を構えて、生活しているのだ。彼らの巣はカラスの巣のリサイクルなので、カラスの巣だと言って目の敵にせず、そう言うカラスの巣を再利用する鳥も居ると、考えて戴きたいものだと思います。

 

なお、札幌にはチゴハヤブサの会という会があり、その地道な・勢力的な活動には頭がいつも下がります。

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観察の注意点] 繁殖期間中はどの野鳥もですが、とても神経質になっています。チゴハヤブサも警戒の為強く鳴く事もあります。チゴハヤブサが自分の方を見て強く鳴く場合はただちに巣から離れて下さい。また、工事の音や大きい声なども謹んで頂けたらと思います。

特に抱卵初期は要注意。抱卵を放棄してしまうことさえあります。雛が孵ってしまえば大丈夫ですが、チゴハヤブサの観察は卵を暖めている6月〜7月中頃を避け、7月終わり頃から、遠くから静かに観察して頂きたく思います。

多分去年産まれの幼鳥 観察7/28

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不思議な観察]上記個体は若い個体かと思われます。この個体、雛が3週間目あたりの時に巣から5m程離れた枝に…。しかし、その近くに♀親が居たにもかかわらず、その♀親は上記個体を追い出すわけでもありませんでした

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別♂

多数画像はこちらにも→「チゴハヤブサ 2」

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