北海道札幌の自然

アオバト 緑鳩 ハト目ハト科 【Treronsieboldii】 Japanese Green Pigeon

item5d1

アオバトはその名の通り鳩の仲間で、日本でこのアオバトは本州など温暖な地方では一年中低地から産地の森林に生息し見られる留まる鳥、留鳥として見られますが、北海道、特に小樽の張碓海岸では調べた方によると、6月上旬から少数のアオバトが飛来し、7月中頃から飛来数が増加、8月から9月中頃、つまり今頃ピークとなり、10月末にかけてほとんど居なくなってしまう鳥で、個体数はキジバト、良く皆さんが言う山鳩の様に多くは無いと思います。また姿を見るのも、アーオアオという特徴のあるもの悲しげな声が遠くから聞こえても、なかなか姿が見えない鳥で、でも私が定点にする西区の公園でも若干数、また今年余市では随分大きい群れが観察されたり、道東や大雪、支笏湖等でも見かけられる鳥です。

item5b
item5d
item5c

彼らは主に木の上でどんぐり、ナナカマド、木の花や若葉など植物を食べています。しかし、数年前北海道新聞に巣発見の記事が掲載されていましたが、キジバトなどと違い巣の発見例はとても少なく、繁殖の生態には不明な点が多い鳥でもあります。

item5
item5a

このアオバトの全長は33センチですから、キジバト等とほぼ同じ大きさの中型の鳥です。それと青バトというので体色は青い色をしているのか、と思われるかも知れませんが、日本名の字で緑バトと書く様に緑色の体色をし、特に頭から胸は黄色みが強く、目は赤いルビー色とターコイスブルー、また嘴も綺麗なターコイスブルー、♂は雨覆という肩の部分と言いましょうか、翼の一部が濃い葡萄色をしていて、♀にはそれが有りません。それと、先程も言いましたがこの鳥の鳴き声は変わっていまして、あーお青、オアオみたいに悲しげな神秘的な声が特徴です。ですから、一般的な鳩よりも凄く綺麗で、なかなか魅力的な綺麗な鳩だと私は思います。(また♂は♀より大きいようです。)

またこのアオバトは、とても面白い習性を持ちます。なんと、海水を飲むのです。小樽市張碓のJR函館本線沿いの張碓駅横にある「えびす島」の小樽寄りに、通称「べったら岩」と言われる低い岩礁が有るのですが、その岩礁に彼らは海水を飲むため降りて来るので、バードウオッチャー内では有名なのです。このように彼らが海水を飲むという習性はこの小樽だけではなく、神奈川県の大磯海岸や他数カ所で観察されています。また、アオバトは海水ばかり飲むのではなく、内陸部のアオバトは海に来れないからでしょうか、お味噌や醤油工場の塩分を含んだ排水や、塩分のある温泉のお湯を飲む例も有ることが知られていますが、ともかく山を中心に生息する野鳥で塩分を含んだ水、海水を飲むのはアオバトだけです。

で、このアオバトが海水や工場排水、温泉のお湯を何故飲むかと言うことは、彼らの食べ物木の実や花では取れない塩分のミネラル補給では無いかと考えられていますが、十分な事は解っていません。

また、鳩類の特徴として、普通一般的に鳥というのは、水を飲む時、嘴を水につけては顔喉を上げ、飲み込みというのを繰り返しているのですが、彼ら鳩類は嘴を海水につけたままごくごく飲むという事と、この話しは別な折りにしたいと思っているのですが、他の鳥が雛に虫などを与えて雛を育てるのが一般的ですが、彼ら鳩類はぴじょんみるくと言う、雛に自分の体内で作ったタンパク質と脂肪が豊富に含まれたドロドロのミルク状の液体で子育てするということが知られています。

このアオバトが小樽の市の鳥に制定されたのは昭和61年。アオバトが小樽市の市の鳥に制定されるまでは紆余曲折色々会った様ですが、是非皆さんも海水を飲む不思議な鳥アオバト、緑色の綺麗な鳩に出会ってみられませんか?

なお英名にある ピジョンとは、ラテン語源で〈ぴよぴよ鳴く若鳥〉の意味。中国名の鳩は九が音をあらわし、鳴き声を称したもの。 斑隹 ( あるいは斑鳩 ) は、シラコバトやキジバトなど、 後頚部 に斑点のある尾の短い種類を指した。また、錦鳩もその色に由来する。

 いっぽう、和名の由来は明らかでない 。ただし、 新井白石は、ハトの語源を〈ハヤトリ ( 速鳥 ) 〉のなまったものとしている。

以下画像は、嘴がまだターコイスブルーではないこと、アイリングが青ではないこと、などの特徴から、今年産まれのアオバト幼鳥  2008.8月末 小樽市張碓

item16
item16a
item16c
item16b
item16d item16e
item16f
【CM】ダイエット・健康のジャンルに楽天市場へ出店している北海道のお店屋さんの一覧です【CM】